あの青春の.6

 今回は3つほど。日記の内容は7月~8月だが今現在は木枯らしが吹き、自動販売機には温かい飲み物が並ぶような季節なので妙な感覚になる。

「7月7日 今日は、誕生日だったのに3、4時間目に腹が痛くなって保健室でねていました。原因は腹の冷やしすぎでした。やはり腹を出してねては、だめですね。唯一、よかったのはケーキを食べれたことだったなあ…。

腹を出して寝るな。それを日記に書くな。

 しかもちゃっかりケーキを食べているのが腹立たしい。安静にしていろと一喝してやりたい。偶然なのかもしれないが、中学生~高校生の間、私は自分の誕生日に限って体調を崩すという謎の習慣?があった。季節の変わり目だったからだろうか、それとも腹を出して寝る癖がなかなか直らなかったからだろうか。ちなみにいうと、大学生になってから今現在まで、高熱を出したり病院に行かなければならないくらい体調を崩したことは殆どないのに加え、昔みたいに誕生日に腹を壊すことなど一度もなかったので成長したといえる。

 

「7月13日 今日は夏祭りがありました。とにかく友達といっぱい遊んだりできたのでとてもよかったです。公衆電話で母に電話していたら目に蛾が入ってきました。苦戦しながらも2分後ようやく目から蛾がとんでいきました。」

目に蛾???????

夢の中の話じゃなくて?????????

 当時の私は現実と夢の区別がついていなかったのだろうか。目よりも頭が心配である。しかも2分も目に蛾が入っていたら病院案件だと思うのだが。だが、昔の私が嘘をついていたとは思いたくないし、私を信じてやれるのは私しかいないのだ。つまり目に蛾が入ったのは事実である(おそらく)。

 私の住んでいた地域はド田舎ではあったが夏には小さいながらも祭りが行われていた。規模は小さかったが、出店はそれなりに出ていたので割かし楽しめたのだ。小学生の時などはキラキラしたおもちゃのネックレスだとか雑貨に心を奪われ、すぐにお金を使い切ってしまったような気がするが、中学生になってからはそういった物には微塵にも興味を抱かなくなり、俄然食べ物に目が向くようになったのだから成長というのはなんだか可笑しくもあり、切ないものである。

 気づいた人もいるかもしれないが誤字が段々無くなってきている。目に蛾が入ったことよりも正確な漢字を書けていることの方が驚きである。しかも「蛾」という若干難しい漢字もしっかりと書けている。このあたりから読んでいても苦痛ではないレベルの字(4月あたりはほぼ殴り書きだった)になっているので、それも嬉しい。自分の成長をこうして感じられるのは非常に楽しいものである。

 

「8月26日 最近、よく体や頭をぶつけます。昨日はトイレに頭をぶつけました。今日は机と家のテーブルに。痛すぎる。特にトイレ(ものをかけるところ)にぶつけた時は舌まで噛みそうになりました。」

行動レベルでは成長していないようである。そもそもトイレに頭をぶつけるってなに???

 バッグをかけるところは通常、扉や壁についている場合が多いと思うのだが、私はどうやってその部分に頭をぶつけたのだろうか。部活が嫌すぎて自ら頭突きでもしていたのだろうか。これに限っては微塵も記憶がないので何とも言えないのだが、頭をぶつけすぎて今のポンコツな私ができあがったとするのなら、まあつじつまは合うので、嘘ではないだろう。

 いつか詳細は書くが、高校生の時に友人とスケートにいった際に私は派手にすっころんで頭を強打したのでこれ以上ぶつけたらポンコツでは済まないような気がする。今後も頭をぶつけないように細心の注意を払って生きていきたい。