ささみとは(閲覧注意)

 私は料理が苦手である。正直に書くと味噌汁すらうまく作れない。母が働いていて家にいないときは姉がご飯を作ってくれていたのと、高校・大学では寮に入っていたのでご飯は寮母さんが作ってくれていた。つまり、自分で作らなければならないという状況が一度もなかったのだ。もちろん365日食事が一方的に提供されるわけではなかったのだが、ご飯が作られないときは適当にコンビニで済ませていた。親の甘さと時代の便利さが生んだ悲しきポンコツ、それが私である。

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(姉が作った柿のケーキ)

 ちなみに言うと、次女はかなり料理がうまい。基本的な料理は勿論、お菓子作りも大層上手い。本当に同じ親から産まれてきたのか若干疑わしい。

 今回のブログでは、女性だから料理ができなければならないだとか男性だから作らなくていいとか、そんな時代錯誤なことを言いたいわけではない。むしろこのご時世、男女問わず料理が苦手、一切できないという人間は特段珍しくもないだろう。苦手なら苦手なりに、金を払って私のように第三者に任せるだとか色々な手段はある。したがって、料理が下手な人や普段作らない人を非難するだとか、頑張って料理しようぜ!!みたいな押し付けをするような内容ではない。

 事の成り行きは、本当に気まぐれだった。昨日の夜、ふと料理でも作ってみるか、と思った。何かに触発されたわけでもなく、頭にかすめた気まぐれが私を突き動かした。そして今日に至るわけだが、初心者中の初心者なので簡単にできるものを作ろうという至極真っ当な考えのもと、レンジでチンすればできる料理のレシピを検索した。

 そして犠牲者(正しくは食だが。)として選ばれたのが、ささみ梅チーズ巻きである。ささみを観音開きにして叩き、そこに梅肉(スーパーで買ったらめちゃくちゃ高かった。)と大葉とプロセスチーズを置き、ラップでくるくる巻いてレンジで3分温めて出来上がり、なんとも簡単な作り方である。

 まず私は観音開きがうまくできなかった。というかやり方すら知らなかった。こういう時こそGoogleだろと思うだろうが、ささみと触れ合った瞬間にハッと気づいたので手がべたついてスマホをいじることができなかった。このような場面で手を洗うことを面倒くさがる時点で色々と終わっているのだが、私は手が濡れることがそもそも好きではない。(好きな人がいるのか分からないが。)だから気まぐれで料理をするときはかなりの頻度でペーパータオルや布巾で手を拭っている。

 生ものに触れた手でスマホをいじるとなると念入りに手を洗わなければならない。そしてまた再びササミに触れる。そしてまた手を洗う。その過程が本当に億劫だったのだ。あくまで予想なのだが、料理が下手な人はこのような傾向があるような気がする。

 話は戻るが、観音開きという言葉は知っていたので、なんか開いてる感じにすればいいんだろうと思い適当に真っ直ぐ切り込みを入れ、うまく開けなかった部分は指で裂いた。適当にパシパシ包丁でささみを叩き、チーズと大葉、高い梅肉を載せ巻いたのだが、ささみが平たくなっていなかったのかうまく巻けなかった。まあなんとかなるか、と思い無理やりラップで包み、6分温めた。

 これは本当にケアレスミスだった。というか、なぜか途中から6分だと思い込んでいた。そんな大層なミスを犯しているなどとは露知らず、呑気に洗い物をしていたのだが、数分後、なんだかレンジから異音が聞こえてきた。チラッと中を見ると、異様な光景が広がっていたため、慌てて開けたのだがそこにはささみ梅チーズ巻きなど存在していなかった。

 私が作ったのは確かにささみ梅チーズ巻きだったのだ。そこに間違いはない。現に、材料は先述した通り、ささみと高い高い梅肉とプロセスチーズ、大葉しか使っていない。

 以下に衝撃的な写真を貼るので気分が悪い人、体調が優れない人は本当に見ない方がいい。冗談抜きで心身への負担がかかる。写真を撮った私自身、フォルダに入れておくのが心的負担だったのでここに貼り付けた後、すぐさま消去した。今日はなんだかイマイチ体調が…という人は私の作ったささみ梅チーズ巻き(だった物)でトドメを喰らうことになるので体調が良い時に見て欲しい。あとグロテスクなものが苦手な人も、ご遠慮いただきたい。これで気分が悪くなられても私はなんの責任も取れない。自己責任で見て欲しい。

 何度でもいうが、私が作ったのはささみ梅チーズ巻きである。

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 気分が悪くなったと言われても私は責任が取れない。食べられない状態だったので泣く泣く廃棄した時に外で撮った写真なのだが、もはや石といっても過言ではないくらい固いのだ。何度も言うが、これはささみ梅チーズ巻きである。

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 これは次女が作ったパンである。ジャムは柿を使って作ったらしい。

 このように、人間には得て不得手がある。冒頭でも述べたように、苦手ならばそれをうまく回避するような手段を取るべきである。だが、最低限、という言葉があるように、一般常識としてクリアしなければならないものもある。

 では、料理における最低限度の一般常識とは。それは食材を無駄にしないことである。私は今回身をもってそれを痛感した。

 上達に必要なのは失敗と、失敗してもめげない精神、積み重ねである。ここで投げ出してはまた第二の犠牲食材が生まれてしまう。私は今後も地道に料理を続けていく予定である。